日本社会福祉教育学会 NEWS LETTER No.33

2020年3月31日発行

巻頭言

試される教育力-パンデミックに直面して

新型コロナウイルスの蔓延は 教育界にも甚大な影響を及ぼしている。令和初の学位記・卒業証書授与式や入学式の中止 さらには授業開始日や方法の変更など教育体制の根幹に関わる課題を提起している。厚労省・文科省は令和 2 年 2 月 28 日に事務連絡「新型コロナウイルス感染症の発生に伴う医療関係職種等の各学校 養成所及び養成施設等の対応について」を発出し 学校養成所等の運営に係る取扱いや受験資格に係る取扱いについて 教育の質を担保した上での弾力的な取扱いの可能性について周知した。また 文科省は令和 2 年 3 月 24 日に通知「令和 2 年度における大学等の授業の開始等について」を発出し 学事日程等の取扱いや遠隔授業の活用について一定の方向性を示し たところである。*

翻って 大学設置基準(昭和 31 年文部省令第 28 号)第 25 条では 「授業は 講義 演習実験 実習若しくは実技のいずれかにより又はこれらの併用により行うものとする。②大学は文部科学大臣が別に定めるところにより 前項の授業を 多様なメディアを高度に利用して当該授業を行う 教室等以外の場所で履修させることができる。‐以下略‐」(傍点引用者)と規定している。あわせて平成 13 年文部科学省告示第 51 号(いわゆる「メディア授業告示」)では 先の大学設置基準第 25 条第 2 項の規定にもとづき大学が履修させることができる授業の細目が示されている。

新型コロナウイルスについては WHO 事務局長も 3 月 23 日の会見で「パンデミックは加速している」との見解を示しており 国内でも「オーバーシュート」の発生が懸念されるところである。このような状況のなか 社会福祉教育界においても感染拡大の防止に向けて ICT を活用した 新たな教育方法へのシフトが求められている。文科省は令和 2 年度からスタートする新・学習指導要領を踏まえた GIGA スクール構想の実現に向け 令和 2 年度予算の概算要求で約 2000 億円( 4 年間の総事業費約 4300 億円)を計上している。近い将来 当該初等・中等教育を経た者が高等教育機関に進学してくるのである。社会福祉教育は このような新たな時代に対応し得るのであろうか。未曽有の国難をどう乗り切るのかが 今後の試金石となろう。

‐閑話休題‐

今年度の大学入試センター試験の国語(第 1 問)は 河野哲也( 2014 )『越 境の現象学‐始原の海から流体の存在論へ』筑摩選書を題材に 「レジリエンス」や「ヴァルネラビリティ」の現代的意義について ソーシャルワークの役割を問う設問があった。このことは 時代がソーシャルワーク機能を必要としていることの一つの例証であろう。介護福祉士の養成課程の見直しに続き 昨年公表された社会福祉士・精神保健福祉士の養成課程の見直しにより 漸く 3 福祉士の養成課程の見直しが完結したところである。そのような最中 昨年 9 月 10 日 厚労省子ども家庭局に「 子ども家庭福祉に関し専門的な知識・技術を必要とする支援を行う者の資格の在り方その他資質の向上策に関するワーキンググループ 」が設置され 本年 12 月までに議論の整理を行い社会的養育専門委員会への報告に向け始動している。これは整理を行い社会的養育専門委員会への報告に向け始動している。これは,新たな国家資格の創新たな国家資格の創設に係る議論を含むものである。設に係る議論を含むものである。

‐閑話休題‐

何れにせよ 社会福祉教育の教育力が問われているのである。令和 2 年度は 科学技術基本法第 5 期のキャッチフレーズ「 Society 5.0 」の最終年である。教育における最新の技術活用は活用そのものやコンテンツ自体に意味があるのではなく それらをいかに用いて授業を構成できるのか その教 育力が問われているのである。そのアイディアの提示が 本学会に課せられた使命の一つでもある。

[注]
*このような状況のなか日本教育工学会春季全国大会(令和 2 年 2 月 29 日~ 3 月 1 日)や情報処理学会全国大会(令和 2 年 3 月 5 日~ 3 月 7 日)は 急遽現地開催を取りやめネット会議システム Zoom の利用によるオンライン 開催に切り替えた 。

目次

  • 巻頭言
  • 第15回大会報告「創造的な学びの可能性~実践と教育の継続的な循環」
  • 2019年度総会報告
  • 第10回春季研究集会は中止となりました
  • 第 16 回大会「ICT と社会福祉教育(2)」開催案内
  • 令和 2 年度役員選挙に関するご案内
  • 連載
  • 理事会報告

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