日本社会福祉教育学会 第16回春季研究集会
竹中 麻由美(川崎医療福祉大学)
第16回春季研究集会は「生成AIを“うのみにしない”ためのAIリテラシー –専門職教育に欠かせない仕組み理解とリスク認識–」をテーマに、関西学院大学梅田キャンパスで開催された。

講師は川崎医療福祉大学医療福祉マネジメント学部医療データサイエンス学科講師 谷川智宏氏である。谷川氏は9月に開催された第21回大会において「指導する立場で知っておきたいイマドキ学生の生成AIの使い方」というテーマでランチョンセミナーの講師を務められた。興味深い内容であり、もっと聴きたいという要望を受けた今回の企画であった。
第一部の講義はzoom配信によるハイブリッド開催であった。まず生成AIの仕組みをわかりやすく説明して頂き、生成AI は「予測」して出力しているのであって「理解」しているわ けではないという基本を学んだ。その上で、専門職教育で特に注意すべきリスクについて、具体例を挙げつつ、複数のリスクが相互に影響しあいながら問題を引き起こしていることを理解した。そして生成AIの仕組みを理解した上での「専門的判断」が重要であるとのまとめだった。
第二部は、会場参加のメンバーが3グループに分かれてワークショップを実施した、複数の生成AIに同じプロンプトを入力し、出力された内容を手がかりに生成AI の特徴やリスクについてディスカッションした。「この出力が何を意味しているの?」「この出力をどう活用できるの?」「どのような情報を入力すればより役立つの?」等など、活発な意見が飛び交った。生成AI を実習や演習に活用する可能性についても検討された。
【参加者の声】
吉島 紀江(京都華頂大学)

生成AIの利便性と限界について、リスクを理解し使用する重要性について、再確認することができました。生成AIの確立的言語モデルに基づいて生成される仕組みであることを理解し、もっともらしい回答は得られるが正確性とは違うというリスクの理解をして使用する必要があることが分かりました。教育の場で使用する場合も学修支援のツールとして有効であるがリスクや情報の批判的思考に必要な知識を身につけるよう教育をしていく必要があると思いました。
竹中 麻由美(川崎医療福祉大学)

第21回大会ランチョンセミナーに続き参加しました。今や生成AIは、教育現場のみならず人々の生活の一部であり、効用と共に様々な弊害や課題が指摘されています。生成AIの仕組みを理解することで、生成AI が出力した内容を“うのみにする”のではなく、出力の“背景をアセスメントする”ことにつながると感じました。ワークショップではそれぞれの先生方がどのように生成AIを活用しているのか、学生をどのように指導しているのかなども伺うことができ参考になりました。結局のところ、活用する人間の判断力や倫理観が問われていることを再認識できました。

