専門教育とは、「〇〇〇」である!
ニュースレター45号より始まった「専門教育とは、「〇〇〇」である!」は、「実践者・研究者、各々の立場で「専門教育」について考えるきっかけとなれば…」という思いより、スタートしました。
若手研究の方や現場実践の方を中心に、その人自身が考える「専門教育」とは何であるのかを「〇〇〇」という一言で表現してもらい、その理由(何を以て専門教育としているのかなど)などを教えていただく内容です。
第6回目は、岡 永遠会員(赤羽高齢者あんしんセンター)の熱い想いをお届けします!
専門教育とは、「専門職として歩みを始める0歩目」である!
岡 永遠(赤羽高齢者あんしんセンター)
はじめに
私は大学院で学びを得た後に、地域包括支援センターで生活支援コーディネーターとして勤務をしている。大学院では、ソーシャルワーク実習に焦点を当て、習得できるコンピテンシー(能力)について研究を行った。修了後、地域包括支援センターで勤務をはじめて約1年を経過した。今回は、これまでに受けた専門教育が地域包括支援センターでの勤務においてどのように生かされているかという点に焦点を当てながら考えていきたい。
経験した専門教育

「専門教育」というとどのようなことが思い返されるだろうか。私は自身の研究でキーワードとしていた「実習」が第一に浮かんだ。私は、社会福祉協議会と地域包括支援センターで実習をさせていただいた。学生が、福祉の現場に直接触れる大切な機会となる。座学においては、ソーシャルワークの体系、対人援助技術、社会福祉機関の構造等多くのことを学習する。座学で学んだ「価値・知識・技能」を集約させ、学生自身に落とし込む作業が「実習」だと考えている。座学では、机上の中で展開されていた「価値・知識・技能」が現実世界の目の前に現れるものが「実習」である。「実習」は「専門教育」の中でも高い密度で、速い速度で「価値・知識・技能」を習得する大切な体験となったであろう。
専門教育と地域包括支援センターでの経験
専門教育が地域包括支援センターで勤務する上でどのように生かされてきただろうか。1年の経験を得て考えたことは、専門教育は「専門職として歩みをはじめる0歩目」になっていたのだということである。専門教育で統合された「価値・知識・技能」を用い、現場の中で勤務を行っている。専門教育は現場で勤務する上での基盤となっているのである。勤務をしていく中で、「価値・知識・技能」を肉付けしていくのである。相談業務を展開する場面で、地域の方々と協働する場面で、他機関と連携する場面で、どのような「価値・知識・技能」を使用したのか、また使用すれば良かったのか振り返り、試行錯誤を重ねていった。目まぐるしく変化する現場でより良い支援が展開できるように思考をした。このようなサイクルを行うために、「専門教育」で得た、「専門職として歩みをはじめる0歩目」は自分自身の指針として、現場の中で行かされてきたであろう。
終わりに

「専門教育」で得た、「専門職として歩みをはじめる0歩目」は、現場において自分自身の指針であり、有しておかなければならないものである。0歩目をいかにして現場において1歩目に派生させるのか。そのような考えで勤務を行っていた。自身の中で基盤となるものがなければ派生させることはできない。基盤をつくる作業が「専門教育」で行わなければならないことだと考える。現場の中で同一の事例、同一の場面は発生することはない。ただ、目の前で発生する場面を解決するために、基盤となるものは必ず存在する。「専門教育」で身につけ、それらを引き出して実行に移す。この作業の繰り返しだと考える。その中で、有していた0歩目を1歩先へ、さらにもう1歩先へと歩みを進める。学生時代に経験した「専門教育」は専門職として歩みを進める大切な基盤となっているのである。

